中館番楽
町指定無形民俗文化財「中館番楽」
中館番楽は中沢と飯村の2集落で毎年交互に開催している。番楽の始まりは、伝承によると江戸時代以前と言われている。阿仁の根子(旧阿仁町)地域から山越えをしてきたマタギが、獣の皮や熊の胃などを売りながら宿をとって伝授したものと伝えられる。そのため根子番楽と同じ系統だとされている。
番楽の演目には、武士舞・三刃抜・高舘・恵比寿舞・鈴木の三郎・華舞・曽我舞・翁舞・三番叟などがあり、かつて23番を伝えていたという。
番楽は正面に幕を張り、その内側には舞い手が控えて、幕の前右側には囃子方の太鼓、手平鉦、笛、口上役が着き、左方には拍子木を打つ厚板をおいた囃子方がいる。演舞のうち、鈴木の三郎は太鼓をとって振り回すなど勇壮な場面があり、恵比寿舞では鯛釣りの撒き餌の仕草があり、実際には飴を撒いているものである。かつて女性は携わることがなかったが、戦後、囃子方には次第に女性がはいるようになってきた。(秋田民俗芸能アーカイブスより抜粋)